花葵の会 東京三宅坂国立劇場大劇場

和の文化と伝統を優雅に堪能するひととき

葵舞踊振興協会は五つの会がございます。その一つの会としまして、東京三宅坂の国立劇場大劇場に於いての花葵の会は、二年に一度開催しております。日本で一番の会場と言われております国立劇場大劇場にて、地方演奏付きの舞台に御出演することができます。近年では東京、千葉、埼玉、茨城、神奈川の関東近辺の舞踊家の皆様から大きな輪の繋がりとなり、ここ数年では、九州方面などからもご出演いただくようになりました。花葵の会は、日本舞踊の愛好家とともに、日本の伝統芸能である日本舞踊の素晴らしさを東京から発信し 、未来に向けてその素晴らしさと魅力を、舞台上から伝えてまいりたいと思います。御出演のご希望はお気軽に事務局までお問合せ下さいませ。皆様のご出演を心よりお待ち申し上げております。

 

 

葵舞踊振興協会五百回記念公演 演劇評論家 藤田洋 ご挨拶文より

 花葵の会(葵舞踊振興協会)が五百回記念の大きな節目を迎えた。目出たい記念の公演になる。その記念のレパートリーのなかに、特別企画がある。日本舞踊界の気鋭の四人が競演する 釣女 があり、最後は 長唄 花葵房総賦 で締めくくられる。今回の 花葵の会 はこの特別企画によって五百回記念公演を飾ることになった。まことに目出たい舞踊会である。もう一つの企画が葵舞踊振興協会制定曲の一つに選ばれた 花葵房総賦が最後の演目を飾っていることだろう。特別企画の 釣女 と並んでいることが、注目される。現在の日本舞踊界の重要メンバーによる 釣女 と、長田午狂作詞による花葵房総賦のほかにも、日本舞踊の名曲がずらりと並んでいる。それらを一見すると日本舞踊界の特色が色濃く現れている。葵舞踊振興協会による公演の賑やかさがこうした演目の中に明確にあらわされている。古典から新しい振付による作品までを幅広くおさめて、日本舞踊の活気を示したところに、今回の特色があえるといえよう。ともあれ、大きな節目を経て、葵舞踊振興協会が着実に成長していく過程を示す記念公演となる花葵の会だけに注目に値すること間違いない。五百回という数字は、大きな記念碑の意味が含まれているようである。

舞踊芸術10月号より 舞踊百華撰 花葵の会

舞踊芸術 平成24年10月号より

 

舞踊百華撰 花葵の会

 

葵舞踊振興協会(小田のりこ理事長)が主催する舞踊百華撰花葵の会が9月18日国立劇場大劇場で盛大に開催された。同協会は、日本舞踊の愛好家とともに、日本の伝統芸能である日本舞踊の素晴らしさを発信し、その魅力を多くの人たちに伝えていくことを使命としている。そして舞踊を志す人々に踊る機会、さらに一流の舞踊家との共演、その舞台を見る機会を提供しようと、今回の花葵の会や、浅草公会堂での百華撰(今年は7月26日、特別企画田能久ばなしが好評)など、古典から新舞踊に至るまで多彩な公演を長年にわたって数多く催している。花葵の会当日は、葵会に出演するメンバーに加え、著名な舞踊家を特別出演や賛助出演にそろえ、豪華な古典の舞台が次々と披露された。第一部はお祝い曲長唄松竹梅(鳳翔中村流二代目家元中村鳳紫女華、中村鳳紫雀、中村鳳紫寛)で序開き。長唄浅妻船(若紫桜元)、長唄藤娘(美杉松扇、華秀明妃奈、花藤喜久乃、賛助出演は現在の舞踊会を担う花柳貴柏、藤間清継)、長唄越後獅子(若月仙之助)、長唄 鷺娘(若柳妙華)、長唄  作舞 美作流家元美作百合佐保 監修大倉正之助 能楽囃子大蔵流・太鼓重要無形文化財総合認定保持者 創作道成寺 (美作凛、美作和音、美作悠粋、美作天毬、美作しほり、伊藤咲葵、岡野延雄、美作遊、伊藤大貴、山田美穂

柴和夫、鈴木政輝) 第二部は清元津山の月(西川扇武、賛助に松島流家元松島金昇)で幕開け。長唄俄獅子(花ノ本徳一郎、花ノ本徳香代、花ノ本徳貴予のご姉妹)、清元玉屋(若柳松誉)、長唄神田祭り(若月流家元 若月仙之丞、若月仙太郎)と続き、長唄連獅子(親獅子に賛助の花柳寿太一郎、仔獅子に若紫流家元若紫さくら、間狂言に宗論賛助出演に西川扇与一と同、藤間達也が入り、舞台を盛り上げる。)、長唄二人椀久(松山は坂東三知々、賛助は七々扇流家元の七々扇花瑞王)清元青海波(特別出演の花川流家元花川蝶十郎先生と共演するのは小田理事長の愛孫・小田紗佑里)。きりの特別企画は常磐津三ツ人形で、現在の舞踊会を代表する実力派の三人、上方舞の山村流六世宗家・山村若、藤間蘭黄、西川箕乃助という豪華な顔ぶれによる舞台。藤間蘭黄の祖母・故藤間藤子師と西川箕乃助の父上・西川扇蔵師は ご存知のように、ともに人間国宝として我が国の舞踊界では大変重要な方々。しかもお二人ともかつて千葉市民会館で開催した葵会に出演されたことがある。人間国宝の祖母から孫へ、同じく親から子へと葵会に出演したことは、同会の長い伝統を物語る。三ツ人形は吉原の風俗を華やかに踊るもの。舞踊百華撰のきりに相応しい見所の多い踊りでした。演奏は杵屋勝四郎、稀音家祐介、清元清栄太夫、堅田喜三久(人間国宝)という、これまた重鎮の方々が舞台を盛り上げていました。小田理事長始め葵舞踊振興協会の今後のプロデュース公演が楽しみになる舞踊会でした。(井上)

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